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NY到着の記事

2012年2月6日月曜日

“We’ve become the victims of our own success”   

“We’ve become the victims of our own success”                               アメリカが戦後50年以上つくりあげてきた理想の郊外生活が今大きな問題として認識されつ つある。自動車依存の生活、職と住の完全分離、さらには食と住の分離も。ショッピングセンターに行く以外、食料がまったく手に入らない!「フード砂漠」と 表現されているがまさにディストピア。家庭菜園などどこにも見かけない。ミシガンに住んでいたときに、フロン トヤードにハーブを植えていたら、役所の芝刈り機で刈り取られてしまった事件が新聞に載っていた。フロントヤードはほぼ公共の空間で、家庭菜園にもできな い。それに比べれば、我が家の庭には、みょうがもできるし、ごぼうやだいこんも育てている。周りの家もそれぞれの家庭菜園をもっていて、いろいろな野菜を 自給している。                                                アメリカでは徹底してネガティブなも の(と考えていたもの)を排除してしまったら、あらたな問題を生んでしまった。過密化した都市を離れて、きれいな空気と水の郊外生活を享受できるように なって、伝染性の病気などから解放されたものの、今度は慢性的病気(肥満やデプレッションなど)に見舞われるように。こちらの方が克服がより困難に思え る。まさに、理想を実現したとたんに、その成功の犠牲者になっていたという皮肉。「計画」と「規制」に潜む落とし穴に気づくべきだろう。でも、アメリカで はこの問題を解決するのに新たな「計画」と「規制」で対処するしかないところが、さらなる皮肉。